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奇跡の教室

この頃、合わせて2冊の本を読んだ。


銀の匙
『銀の匙』中勘助


奇跡の教室
『奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち』伊藤氏貴


灘校で教鞭をふるった伝説の国語教師、
エチ先生こと橋本武先生の話に興味を持って
2冊一緒に購入していたものだ。


灘校は中高一貫で、6年間繰り上がりの1教科1担任制。
つまりエチ先生の受け持ったクラスは、6年間ずっとエチ先生のクラス。
この制度を背景として、奇跡の授業は行われた。

200頁ほどの「銀の匙」を中学期の3年間かけて読むのである。

灘の制度や当時の世相、エチ先生の経験や、校長先生との出会い、
様々なことが折り重なって奇跡の授業はつむがれた。


自分が子どもの頃、国語の授業でどんなことを習ったのか思い出せない。

そんな思い出せないような授業を自分はしたくないとの思いから
始めた授業だという。


エチ先生の教育信念は、
『あえて捨てる、あえて徹する、あえて遠回りする』
だという。


本書(奇跡の教室~)では、エチ先生の教え子たちが
当時のエピソードなどを語っており、そういった話を読みすすめる中で、

『すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなる』

『スピードが大事なのではない』

『注入より抽出』

というエチ先生の教えが心にしみわたる。


ところで、中勘助の『銀の匙』は、
病弱だった少年の成長をつづる自伝的小説である。

ある時、エチ先生は夏休みの宿題に、
「自分の銀の匙(つまり自伝)」を書いてくることを課したそう。

そうして提出された「作品」群は非常に面白いものであったそうであるが、
何よりその経験を通して「書くことの面白さ」に目ざめた
生徒がいたということがまた興味深い。

百の薫陶より一の開眼という、前田の好きな言葉があるが、
開眼という感覚の発見、面白さに目ざめる、
ということは大変得難く、貴重なことであると思う。

エチ先生の教え子たちは、
総じて「気付くことの面白さ」「好奇心」に目ざめている。

自ら興味を持って学べる力こそ、かけがえのない財産であると思う。

その心をいつ手に入れることができるか、
それによって人生で得られる喜びは大きく変わっていくのではないか。



また本書では、最近「スロウ・リーディング」や「味読」と呼ばれているような、
「読み込むこと」や、本から得た気付きや発想などを「書き出すこと」の
大切さを説いているが、
そういえば最近、本に書き込みをしていないなとふと思う。

大学時代に読んでいた本は、読み込みと書き込みの足跡がある。
今読み返してみると、「そうか、そんなことを考えていたのか」と、
気恥ずかしいような、ほほえましいような妙な気分になる。

研究ノートを読み返してみれば、この時の自分の頭の中は
いったいどうなっていたんだと自己同一性を疑いたくなる。

しかし、
自分で気付いた経験、書いた経験、まとめた経験は、
しっかり自分の中に刻まれているのだろうなとあらためて思う。

おそらく、「気付きのクセ」や「思考のクセ」が
自然と身に付くのであろう。

決して、多読なほうではないが、
1冊の本からどれだけたくさんの気付きを得られるか、
1冊の本からどれだけ横道にそれて好奇心を持てるか、
そんなことを今まで以上に意識して本を愛そう。


本を、気付きを、好奇心を、愛そう。


「燃え尽きない、一生学び続ける好奇心」


その火が燃え尽きないように。
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